Kindle Fire HDX 7を買ったんですよ。予約して発売日(2013/11/28)に。

 それから一月半。新規購入する漫画本の電子書籍率が目に見えて上がっているのでそういう話をします。

シフト+α


 最近は購入する本の8割以上が電子書籍です。今数えたら、Kindle Fireにしてから買った漫画本が97冊ありました。これは単なる紙から電子へのシフトを超えて、「紙ならおそらく買っていなかったであろう本」が大幅に増えた結果です。

 俺は元々電子書籍肯定派なので、初代SONY Readerも初代Kindle Paperwhiteも発売日に飛びついたクチですが、その時点では今回のような大幅な変化は起こっていません。

 何でかというと単純に使いづらかったからです。

 初代SONY Readerは単体でストアに繋げないのでPCを介して本を端末にダウンロードする必要があるのですが、その専用ソフトがひどい出来で、大量に本を入れるとタイトル一覧を見るだけで数分待たされるような代物でした。今はさすがに直ってると信じますが。あと単純に本の品揃えが悪かったですよね、当時は。

 初代Kindle Paperwhiteはどうにも動作がもっさり。タッチパネルの感度が悪いのかCPUの処理能力が足りていないのか分かりませんが、ワンテンポ遅れるような挙動で細かいストレスになりました。ページがめくれなかったり、反応の鈍さが故に過剰に操作して逆にめくりすぎてしまったり。

 ストレージが2GBというのも、やはり漫画読み用としては足りない。只でさえ漫画はファイルサイズが大きいのに、1巻2巻以下続刊とダウンロードしていたらあっという間に一杯になる。そしたら読了後の本をちまちま削除してダウンして削除してダウンして……。

 結果、kindle本は専らiPhoneかiPadで読むようになりました。動きはスムーズ、容量は十分。スマホやタブレットで読む分にはストレスは最小限、メリットを最大限に享受できるように思えます。

Kindle Fire HDX 7にした理由


 iPhoneは小さめ、iPadは持ち歩くには大きすぎ、重すぎということで単行本サイズのタブレットが欲しかった。

 んじゃiPad miniでいいんじゃないの? って話なんですがiOSの端末は規約でアプリから直接本を購入できないのですよね。一旦ブラウザを立ち上げてAmazonにアクセスしなくてはならず、それが面倒。

 Androidなら直接購入は可能なようですが、それならKindle Fireでいいよね、本読むのにしか使わないし、と。タブレットで諸々のAndroidアプリを使いたいのならばまた話は変わってくるのでしょうが、俺は現状iPhoneとiPadで間に合っているので。


 余談。

アフタヌーン 2014年2月号 [2013年12月25日発売] [雑誌]
アフタヌーン編集部
講談社
2013-12-25


 電子化の恩恵甚だしいアフタヌーン。このクソ分厚い雑誌がハンディサイズの端末に、しかも何冊も収まるというだけで感涙モノなのですが、純正Kindle端末にアドバンテージをつけようとしている(?)のか、Kindle Fireでは各作品にジャンプできる目次表示がiOSアプリ版ではグレーアウトして使えません。


 個人的にはこれだけでもiPadではなくKindleを買う大きな理由になるのですが、ユーザビリティ第一のAmazonらしくは無いですね。

どこでも読める


 別にKindleに限った話ではないんですが、大量の本をポケットに突っ込んで持ち歩けるのは本当に便利。

 たかが十数分電車に乗っている間の時間つぶしなら本なんて一冊で十分、というのはごもっとも。でも、iPodが出たときにも同じ事言ってた人が大勢いたはずです。「そんなに大量の曲を持ち歩いてどうするんだよ」と。それが今じゃ数百、数千曲のライブラリを持ち歩くのが当たり前。

 俺は漫画にしろ小説にしろ同じ本を何度も読み返して気に入った部分を反芻するので、コンテンツの消費の仕方は音楽に近く、そういう意味では電子書籍との親和性が高い方かも知れません。

 ただ、そういう楽しみ方をするのでなくとも大量に持ち歩けるのなら持ち歩いたって損はありませんし、実際読めるようになってたら読むもんですよ。漫画だと「あれ、こいつ誰だっけ?」とか「そんな伏線あったか?」なんて事が、過去の巻に遡ってみないと分からないこともありますし、そんな時ライブラリにすぐアクセスできるのは便利です。

 いつでも読みたい所だけ引っ張り出せる。外出先で突然殺したるキングの雄姿を見たくなったらすぐ読めるし、何気ない会話の流れからバンカラきりもみレーザーについて説明する必要が出てきても(よくあります)すぐに参照して見せることができるんだ。素晴らしい。


 さらにスマホで読めるのは大きい。一駅の立ち乗りでつり革を掴んでいたら片手でハードカバーや京極夏彦は読みませんが、スマホをポケットから取り出して読むのは簡単なんですよね。

 それまで以上に細切れの時間を読書に充てやすくなる。結果として読書量は増えますから、外で読み終わっちゃうケースも多くなり、複数の本を持ち歩けるメリットはより大きくなるわけです。

いつでも買える、すぐ読める


 読みたいと思った瞬間から実際読めるようになるまでのタイムラグの短さはやみつきになります。買った漫画の続きが読みたければ、最終ページのおすすめを1クリック、購入ボタンを1クリック。計2クリックで30秒後には続きが読めるんですから。

 俺はAmazonプライム会員なんで、本なら在庫があれば当日か遅くとも翌日には届くんですが、それでもこの気安さには到底敵いません。即読める、というのは勿論のことなんですが、1冊づつ買えるというのも購入への心理的障壁を下げるんですね。

 全5巻、試しに1巻だけ買ってそこそこ面白かったとしましょう。残り4冊一気に買う? 途中から面白くなくなったらいやだなあ。じゃあ1冊づつ? その都度発送を待つの?

 その小さい小さい葛藤がスポーンとなくなるだけでスルスル本を買えるようになってしまうのですよ。

 しかもそれはいつでもどこでも可能。寝る前に読む本をベッドの上で選んで買えるなんて最高じゃないですか。こうなると自分のクラウドとAmazon商品との境界が限りなく曖昧になってきて、Amazon自体が巨大な書棚に見えてきます。(手遅れ)

 あとしょっちゅうセールする(というか常にしてる)のもズルいですよね。1巻だけ99円とか、ハズレでもいいやと思って買っちゃうもの。最近じゃ3巻まで無料なんてのもチラホラ。ありがとうございます。ありがとうございます。

 もっとも、リアル書店にはリアル書店のワクワクがあるので、ありとあらゆる本がKindleで買えるようになったとしても行かなくなることは有り得ませんけどね。

本が増えない快感


 本というものには中毒性とコレクション性があり、それゆえにどんどん増殖していきます。「壁一面の本棚」は憧れですよね。

 一方で、本に生活圏を侵食されて二束三文でブックオフに本を売り払った経験のある方ならば、電子書籍による「本が増えない快感」というものもきっと分かっていただけるのではないかと思います。

 どれだけ買っても、どれだけ読んでもスペースは全く脅かされない。これは本を大量に買って初めて気づいた想定外の気持ちよさでした。考えてみれば本を電子化しまくって一気に処分した時にも空いた本棚のスペースに同じ様な快感を感じたものですが、これはその過程を大幅に省略したようなものですね。「捨てる快感の先取り」といいますか、ちょっと倒錯した喜びです。

 自然、本を買うためのハードルも下がり、「ちょっと興味がわいた」レベルの本でもとりあえず買うようになってきます。そうするとAmazonお馴染みの「この本を買った人はこんな商品も買っています」の効果がヤバイ。連鎖的な購入ループに引きずり込まれます。

 繰り返しますが、読了から次の購入まで2クリックしかありませんからね。読後のテンションを前にして、そんな脆弱な壁はあっさり吹き飛びます。

 その結果がこれ(97冊)だよ! 危険極まりない。

チェーンリーディング


 ここまでに書いたことは殆ど電子書籍自体のメリットであって、必ずしもKindleである必要はありません。今回Kindle Fire HDX 7を購入したことで変わったのは、以前から個別にはできていた「スムーズに購入できる」「ストレスなく読める」が「一つの端末上で」実現されたというだけ。

 ただ、その「だけ」がこれまでちぐはぐだった電子書籍の利点をカチッと一つに繋げてくれた。これ。このシームレスさこそ俺が電子書籍に求めていたものだったんです。

 これにより可能となるのはチェーンスモーキングならぬチェーンリーディング。止まらない。





2014/01/15追記


 ブコメにお返事。

ここまで言いながら汎用AndroidのNexus等ではなくロックインされるが実際大して安くもないKindle Fireなのが謎。あとReaderが接続時重いのは、自働Backupが上書き設定でONだからでは。初回起動時に聞かれてるはず。設定で変更可
 上にも書きましたように本を読むだけなので、CPUがより高性能と謳ってるKindleの方がサクサク動くのかなーと思いまして。実際のとこは比べてないので分かりませんが。あとコメントによればAndroidアプリ版もアフタヌーンの目次は使えないらしいので結果としては大正解でした。

 Readerの件は思い当たる節がありますね。何度上書き設定切っても一部の本だけ執拗にバックアップ取りにいってました。設定の仕方がおかしかったんでしょうかね。もう使ってないからいいんですけども。

メモリやのーてストレージな(;´Д`)ユーんとこのmacbook、ssdのことをメモリ言わんやろ。。
 あ、すいません。手癖でメモリって書いちゃってたんで直しました。モバイル端末だとなんか「フラッシュメモリ」のイメージが勝っちゃうんですよね。ご指摘どうもです。

Paperwhiteは描画方式の関係でページめくり速度の速い漫画には向かないのは常識だと思ってた。というかKindleFireを推す理由がイマイチわからん。個人的にはQi対応のNexus7の方が好みだな。
 描画方式というのが電子ペーパーの遅延のことでしたら、個人的には旧kindle(海外版)も初代Readerもあんまり気にはなりませんでしたね。旧Paperwhiteで気になったのはタッチパネルのレスポンスの悪さです。

 あと別にNexus7と比較してKindleFireを推してるわけじゃないですよ。買ったのがKindleFireなのでその感想しか書けないだけです。Qi対応は素敵ですね。

金を取られるカモになって、「こんなに金を吸い上げられているんだぞ!」と嬉々として自慢している。むしろ「金を取られまい」として、「Kindle なんか買ってたまるか」と敬遠するべき。オタクより リア充になれよ。
 えー……。俺は使うために金を稼いでいるので、対価に見合う価値があると思えば大喜びで使いますよ。欲しいものがあっても「金を取られまい」と頑張る人をリア充と呼ぶのなら、リア充ってつまんなそーですね。

 金は好きなように使って無くなったらまた稼げばいいんじゃないかな。

買った漫画


 以下、kindleで見境なく買った中から面白かった漫画をダラダラ列挙します。既刊10巻以内のやつだけで。

刻刻/堀尾省太




 講談社の漫画部門は電子書籍にかなり力を入れているイメージがあります。Dモーニングの試みしかり、アフタヌーンの電子版しかり。Reader Storeで真っ先に漫画の販売を始めたのも講談社でした。

 その講談社のWEB漫画サイト、「モアイ」。ここの作りがまた巧み。

 他社がWEBオリジナルの連載のみなのに対し、モアイはWEBオリジナルを1〜数ページの軽い作品にとどめ、「モテキ」「蒼天航路」「もやしもん」等、既に紙の雑誌で定評のある作品を「アンコール連載」として再掲することでユーザーを強力にフック。その上でサイトには既刊の試し読みや漫画賞受賞作品を大量に並べておく。

 単に新しい雑誌をWEB上で起こしたという体の他社と違って、モアイは紙・電子問わず単行本購入への導線を作ることに主眼を置いている感じがします。そして俺などは電子書籍購入までの閾値が恐ろしく下がっていますのでまんまとそれに嵌る、と。

 この「刻刻」はモアイで読んでなければまず買っていない類の作品です。というのも途中から読むと何が何だか訳わからんのですよ。

 試し読みはこちら。俺がいちいち説明するより読んだほうが早いので行ってみてください。全く核心を突いてはいませんが「一般家庭 vs 宗教団体」とか書くと興味を引くでしょうか。1話目の終わりで続きが気になったら1巻だけ。2話目で引きこまれたら最終巻まで買うことになると思います。既刊7巻、最終8巻は未発売。

 即座に続きが読めるという電子書籍の恩恵を本当に実感できる漫画です。そういう意味では電子書籍はある程度の分量がある既刊本こそ強く売り込むべきなんだよな。旧作試し読みを多く取り揃えている講談社はその辺わきまえてるなあと思います。

犬神もっこす/西餅




 モアイから買ったのをもう一つ、試し読みはこちら

 主人公の犬神君は生来感情の起伏が乏しい性格で、友達が居ません。そんな彼が初めて所属した集団である演劇サークルで、オリジナリティあふれる感情表現を駆使しながら演劇にのめり込んでいくお話です。

 歓迎の表現。

 話にちょっと間延びしてるところはありますが、犬神くんの「理屈で考えた」演技には時々妙な爆発力がありまして、それに引っ張られて何となく最終巻まで買っちゃったという感じです。「おすすめはしないけど俺は好き」案件。

山賊ダイアリー/岡本健太郎




 作者は漫画家兼、現役猟師。

 鳩を狩り、雉を狩り、鹿を狩り、猪を狩る。狩って捌いて料理して食う。その日常が都市で生活する一般人とは大きく異なるので、淡々と描かれたただの日記がそれだけで面白い。

 とはいえ、猟師さんたちもそれで生計を立てているわけではなく、本職があって、生活の足しや趣味として猟をしている方が殆ど。釣りみたいなもんだと考えると、それほど我々の生活からかけ離れたものでもないのだという事も分かります。散弾銃、空気銃、罠による猟。そのルールとノウハウ。仕留めた獲物の解体の仕方や調理法、味。近いのに知らない世界の話は何だって興味深い。

 害獣駆除でもなければ基本的に猟は食うためにやっている訳ですから、この漫画でも食べる事に関してはそれ相応のウェイトを置いています。とにかく仕留めたものは何でも食っちゃう。カラスも食うしマムシも食うしスズメバチもブルーギルも食う。作者の未知の肉に対する好奇心は間違いなくこの漫画を面白くしています。

 そういうゲテモノの類を置いとけば、鴨や猪なんかは間違いなく美味そうですし、普通の人はまず食べる機会のない鹿肉の、しかも刺し身なんか是非食べてみたい。

 料理の絵としては全く美味そうに見えないんですが、仕留めてからどう処理するのか、どの部分が美味しいのか、肉の性質に合わせてどういう調理をするのか。野生動物の食べ方を心得た猟師の解説は美味そうだと思わせるのに十分なパワーがあります。

 で、今調べたらこれも試し読みがありますね。すげーなモアイ。

甘々と稲妻/雨隠ギド


甘々と稲妻(1)
雨隠ギド
講談社
2013-09-06


 絵から美味しそうな料理はこちら。俺が買ったきっかけはどこかの漫画サイトのレビューでしたが、これも試し読みあり。いいぞモアイ。さすがだモアイ。さっきからモアイ言いすぎだ俺。モアイモアイ。

 早くに妻を亡くしたお父さんが娘の為に一生懸命ご飯を作るお話です。

 お父さんは高校教師なのですが、仕事の忙しさと料理が不得意であるために、娘との食事はいつも弁当や外食。ある日弁当を買って帰ると、娘がテレビに食い入るように見入っている。

 流れていたのは肉料理を映した圧力鍋のCM。帰宅した父に気づいた娘は言います。

 「ママにこれつくってっておてがみして」

 そこからお父さんは一念発起、まあ色々あって(ひどい省略)、娘のために料理をすることを誓います。何故か生徒の美少女、飯田さんと一緒に。

 飯田さんは料理の知識はあるが、子供の頃のトラウマで包丁が使えない。犬塚先生(お父さん)は火加減や味付けが下手。互いに助けあってどうにかこうにか料理を作っていく過程が良いのですよね。調理シーンは料理漫画の肝。ぎこちないお父さんの作業風景は料理完成の喜びと、それを食べた娘の笑顔をより一層引き立たせます。


 料理そのものの描写もさることながら、いつも弁当を残していた娘が夢中になってご飯を食べる。美味しさの表現としてこれに勝るものはありません。

三文未来の家庭訪問/庄司創




 収録作品は『辺獄にて』『三文未来の家庭訪問』『パンラサッサ連れ行く』。表題作はアフタヌーン四季大賞作品ですが、試し読みはありません。全3篇ですからさすがにね。

 同じくアフタヌーン作家の市川春子同様、画風からは想像がつきづらいですが、SFです。
 
『辺獄にて』

 臨死の主人公は外宇宙の超生命体が運営する天国と地獄の複合施設、「人生完結センター」でその行く末を審査される。生前の報われなかった善行・裁かれなかった悪行をポイント化し、累積点で天国地獄のレベルが決定するシステムで、それをお役所のような脳内ビジョンで処理していくのが斬新……なのか? お役所みたいな天国地獄ってどっかで見たような、と思ったらネタかぶり先は「聖☆おにいさん」だった。じゃあ別にいいや。あと「それでも街は廻っている」でもそんなエピソードあったよね。

 このシステマチック地獄のように観念的な存在をSF的な独自解釈とルールで再構成しちゃうというのは物語としてそう珍しい手法でもないような気がしてきました。が、構成がしっかりしてるとそれだけで楽しいんですよね。何で宇宙人がそんなもん運営してんだよ、という理由も含め、あ、これそういう事なのね、となるのがいい。


『三文未来の家庭訪問』

 これもまず話の本筋とは絡まないところから評価しちゃいますけど、「家庭相談員の担当権マーケット」というのが面白い。相談員として担当した家庭の子供が将来高額納税者となれば担当者の年金が増える。故に担当権そのものに価値が付き、マーケットが成立する。これはただの設定で、狂言回しとして相談員のカノセさんを動かすためのギミックに過ぎませんが、そういう「仕組み」がとにかく好きなんです俺。

 集団生活団体の遺伝子改造で子供が産める男として生まれた少年リタと、モラリストであることを強く求めるカルト団体を信奉する家庭の少女マキ。彼らの交流を軸に近未来社会が描写されていくのですが、家庭のルールに縛られているマキを、持ち前の脳天気さと精神的なタフさ、聡明さで開放していくリタがとても良い。マキの母親と議論で打ち解けてしまうくだりなんか最高です。

 要素てんこ盛りで物語を簡潔に説明するのが困難(実際ここに書こうとして諦めた)なのですが、読めば綺麗に纏まっていてすんなり理解できます。レビューしようとすると作者の力量がよく分かるもんです。


『パンラサッサ連れ行く』

 古太平洋(パンラサッサ)を舞台に古代生物の擬人化で知性と宗教を描く。

 宗教論はよくわかりませんが、主体を古代生物にして「苦しみを持たない海綿」の近くに置くことで、知性の芽生えとそれにより生じる苦しみ、救済としての宗教という存在を分かりやすくしているのかなと。現在では絶滅している生物が主人公なので行く末には滅亡しかないのですが、征服者であるカナダスピスの頭目の悟りが救いでしょうか。

 深く思考するのは得意じゃないので精神の内面を掘り下げようとするような作品は苦手なんですが、これは舞台設定の妙か、抵抗なく読めましたね。滅び行く種の一大スペクタクルもあって素直に楽しめます。

疲れた


 10作品ぐらいは挙げようと思っていたのですが、二言三言で終わらせるつもりの紹介がどんどん長くなって、なんだかそれだけで個別ののエントリが成立するぐらいになってきたので一旦終わって、別の機会にまとめます。

 その時は「Kindleで今絶対読むべき漫画10選」みたいなタイトルにすれば人いっぱい来るんじゃろ? (しません)

 (2014/01/26追記) 書きました。 → Kindleで読める、面白かった漫画 (既刊10巻以下)