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著者:青桐 ナツ
販売元:マッグガーデン
発売日:2008-09-10
おすすめ度:5.0


 靴履いたまま電車の椅子に登る子供。メシ屋で大騒ぎする子供。そういうのを見ると口からレーザーを吐いて親ごと薙ぎ払いたくなります。俺が口からレーザーを吐けない人間で良かったなお前ら。
 俺はそういう人間なので子供が嫌いだと思っていたのですが、実はあんまりそうでも無かったらしい。先日祖父が亡くなって田舎にすっ飛んで帰りまして。親戚が一同に会したのですが、従兄弟の子可愛いよ従兄弟の子。とっても懐いてくるよ。とっても生意気だよ。でもとっても聞き分けが良いよ。

 結局俺が嫌いなのは不躾な子供、そしてそれを叱らない親なのだな。俺は「子供は皆天使」なんて言ってしまうようなアガペーは持てませんが、自分が好きになれる子は可愛がれるのね。

 この漫画に出てくるのは愛すべき子供のほう。無口でしっかりとした、全く手のかからない男の子・秋。

きちん。
愛称:あっくん

 叔母から秋を預かり、面倒を見ることになった高校生の平助は超マイペース。ともすれば自己中。あまりに秋がしっかりしているのでほったらかして外出してしまうような彼が、異様に秋に懐かれる。

やだ! かわいい!
(やだ! かわいい!)

 秋は無口だけれど、表情は子供らしく雄弁にくるくる変わる。嬉しいときには控えめだけれど満面の笑みを、がっかりしたとき、落ち込んだときには口には出さずに背中で語る。

 あっくんは我侭を言わずに、「耐える子」なのです。健気なのです。そんな子供が気持ち丸わかりの顔で喜ぶ(無口に)。何ともいとおしいじゃないですか。

手をつなぎたい
手をつなぎたい

 何だこれ。可愛い死ぬわ(俺が)。

 秋に接する事で、平助も無自覚な自己中や無神経さを省みるようになる。この幼児に成長させられる高校生という構図も面白い。どんな形であれ、人間が成長していく話は好きですよ俺は。

 あまりにラブラブな秋と平助を取り巻くキャラクターもいい。何だかんだで平助の世話を焼く同級生たちや、何故か平助に一目惚れをしてしまった後輩の女子。なにより秋の両親が良い。

 ホットケーキにはまっている息子を前に、平助へのライバル心を燃やす母親と、平助に嫉妬する父親。特に息子に振り向いて欲しいとーちゃんの姿は涙ぐましいものがあります。

パパ嫉妬
パパ嫉妬

 なんでもない日常を描いた漫画ですが、しっかりとしたキャラクターと心理描写でゆるい「雰囲気漫画」にはなっていません。このまま1巻完結でもいい位に綺麗にまとまっていますが、続いていくのなら今後にも期待です。

 あっくん可愛いよあっくん。