天気が良いと、自転車でその辺をぶらぶらします。目的地があるわけではないので気の向くままに。

 俺の場合、行き先を決めないポタリングは「出来るだけ知らない道を通る」という緩いテーマに基づいて、行き当たりばったりにルートを選びます。都内は道一本隔てるだけで雰囲気がガラッと変わったりしますから、そういう空気の変化を写真に収めるだけでも結構面白い。

 よく撮るのが店の看板。昔からあるような店だとオリジナルの書体であることが多く、ちょっと力が抜けるようなタイポグラフィー(とすら言えないもの含む)がとてもいい。

 最近では徒歩の時でも撮影するようになり、ちょっとした趣味のようになってきました。結構たまって来たので幾つか並べてみます。



 トップの写真と同じ店。豚のイラストがいいので思わず撮影したのだけれど、今調べてみたらかなり評判いい。そのうち行ってみよう。

 豚がコピペに見えて微妙に違うのもいいね。



 そのすぐ近く。勢い余ってガの点が一個増えちゃってますが、それも味わいというもの。強弱のついたムニョンとした書体がいい。



 結構よく見る紅白のネオン看板。みんな同じとこが作ってんじゃないのか、ってぐらい似通ってる気がする。

 看板にかかってる足場? が格好良いので撮りました。



 見た瞬間「駄乳」という文字が思い浮かんだ。どんな罵倒文句だ。

 ダニュウという柔らかげな音と脱力系書体が絶妙にマッチ。ちなみに靴の会社らしいです。



 読めねぇ。

 昔、嫁さんが蕎麦屋の暖簾を見て「き…………だ……む゛?」って言ったのを思い出した。それはサーカスだな。


 

 これは素敵。「和風」「洋風」「ヤマダの家具」が全部書体違いでいい味出てる。

 一文字一枚の看板なところとか、ちょっと色褪せてて錆が下に垂れてるあたりが最高。



 セとィをつなげてしまってる辺りが新しい。

 字もなんか社長さんの手書きとかそんな感じだけれど、堂々と立体化している辺り好感が持てます。



 全く普通の看板なんですが、この建物の中に頭襟を付けた山伏が大勢集まるのかと思いワクワクしながら撮影。

 単なる地名由来でがっかり。



 普通の看板シリーズ。いや、スタープラチナ 【破壊力 - A / 精密動作性 - A】だなあと思って。

 A(超スゴイ)。



 字よりも上のロゴが怖くって。何でこんなにしちゃったの。一番奥の人首長すぎだろ。



 少年モト・ジャンプ。

 わざわざ何とかモーターズの名前を消した上にこの書体を持ってくるあたりに侠気を感じざるを得ません。これあかんやつや。



 「ボス 決して走らず 急いで歩いてきて そして早く僕らを 助けて」 → 「ボス急いで来て早く僕らを助けて」 → 「ボス助けて・・・!」 → 「ボスタスケテ」 → 「ボスケテ」 → 「ボスケ」

 意味はともかく、この字はなんか好きですね。踊りだしそうで。



 ねじ。シンプルイズベスト。



 ねじ ねじ。一つじゃ物足りなかったらしい。

 さり気なく書体が違うのも面白い。



 ヴー☆ 電話受けづらそう。「お電話ありがとうございます、キャンディッド☆ヴー」です。

 何となくホラーな印象があるのは線の強弱の付き方のせい? ドのあたりに古印体っぽさを感じる。



 ファツション。惜しい。ちょっとツが大きいだけで、ファッション感全殺し。

 昔Bireley'sの日本語表記が「バャリース」で読めなかったことを思い出した。



 お隣り。日暮里繊維街になければ色合いともめんの字で豆腐屋だと思うかも知れない。

 「ん」の字とか軽くて好きだなあ。



 日暮里シリーズ。これは前にも出したけど、デザイン以前に名前が反則。



 ゲームセンター感の無さが尋常じゃない。

 看板としては面白みも何も無いんだけど、共産党や緑の党のポスターといい、光景としての完成度が高すぎる。



 活字。古いビルと活字そのものといった風情の看板。格好良いなあ。



 モヤさまで突撃されそうなお店。実際出てきてたりするかもしれない。

 色は大分くすんじゃってるけれど、楽しい雰囲気はちゃんと残ってる。こういう個人営業のおもちゃ屋ってのは末永く残って欲しいもんです。



 「浅草のパリ」ことパリスでございます。もう何がなんだか。

 隣に書いてある格好良い筆記体を使わずにカタカナで「パリス」って書いちゃう辺りが可愛らしい。



 ダセえフォントでお馴染みの創英角ポップ体。俺はこのフォント自体は別に格好悪いとも思わないんだけど、成程これはダサい。そして何故横に伸ばしちゃうの。

 ポップ体はその使いやすさゆえに、素人がワードアートで適当に並べたダサい文字列が量産されてしまうのだろうなあ、と推測します。



 「ロシヤ」がいいよね。これもちょっとホラー系フォントでおそロ(自粛) 



 古い店の看板って、赤・青・黒の直書きが多いですね。昭和初期って感じ。

 「おしゃれ」の文字に漲る果てしないウォシャレパワー。そしてヒゲのダンディー(かわいい)。

 店に並ぶラメラメデラデラのおしゃれ洋品はどこで着ればいいのだろう。



 「布団」じゃなくて「ふとん」表記なのがいいですね。デザインはどーでもいいんですが、ふとんが好きなので。



 今んとこ、一番格好良いと思っているのが小伝馬町のイルマン堂。

 カクカクしててちょっとバランス悪いところとか、色褪せてムラになっている字が超クール。

 店の真ん前に街路樹が立っていて道路の対岸からは撮れないのでこの角度。入り口のガラスには「イルマンドー」とカタカナで書いてあってそれも素敵なのだけれど、この写真撮った時点で店の中から不審な物を見る目で見られた(気がした)ので断念。



 ビックロの看板。

 すんげー適当に書かれた「新宿東口」がちょっと気になりました。ビックロには行ったことありません。



 一見梵字のような看板、よく見ると「おしくらまんじゅう」と書いてある。

 正方形の看板にこぢんまりと纏まったこの圧縮感、まさにおしくらまんじゅうなナイスデザイン。

 どういう店かは分からないのですが、新宿二丁目なので多分そっち系。後ろの「HOST 東京KIDS」からは真っ昼間だというのに超楽しげな宴会の声が聞こえてきていました。



 この看板、書き始めた時点からオチに使おうと思ってたんだけど、新宿二丁目の後だと何かイヤだな。

 名前と書体の怪しさが見事なハーモニー。こちらは三丁目なので普通のお店なのだとは思うのですが。俺は入らないけど。



 以上。

 これを「自転車」カテゴリに入れるのもどうかとは思うのですが、何かテーマを持つと街乗りの楽しみも幅が広がりますよ、ということが言いたかったのです。

 今回の写真は主に、上野、日暮里、浅草、御徒町、あと新宿。

 自転車(上野・御徒町・新宿)、(浅草・新宿)、(日暮里)という、自分の行動原理がよく分かるセットだなあと思いました。おわり。