先日記事にしたコゼパニア。対面で会話しながら細々とした仕様を詰めて発注したのですが、それにより一つの気付きがありました。
「そうか、丁度いいのが無ければ自分で作ればいいんだ。」
そんなわけで。
画像はレザークラフト用の主な工具。嫁さんが少々かじっていた関係でツールは一揃いあったので、革で制作することにしました。
「そうか、丁度いいのが無ければ自分で作ればいいんだ。」
そんなわけで。
画像はレザークラフト用の主な工具。嫁さんが少々かじっていた関係でツールは一揃いあったので、革で制作することにしました。
カメラ
入れるのはSONYのCyber-Shot RX100。こいつに合わせたサイズでケースを作っていきます。
構想
まずはどんな感じのものを作るかイメージを固めます。俺は絵心ないので、イラストを描くよりは実際作っちゃった方が早い。
ので、工作用紙で適当な展開図を切り出し。懐かしいな工作用紙。
取り付ける自転車はLink N8。折りたたみ時の固定用に、ハンドルポストにはシリコンのベルトを引っ掛けるダボが付いています。
これをうまく利用できないかと考えた結果、こんな感じに。びろーんとベルトを出して。
巻きつけ固定。上の方は適当にハンドルに吊っとけばいいでしょ。
あとは作りながら考えよう。
材料
日暮里に材料の買い出しへ。日暮里駅の東側は「日暮里繊維街」といって布やら革やら服飾関係の専門店が密集しております。
2.5mm厚のヌメ革1000円、金具各種830円。レザークラフトは初めてなのでユザワヤなんかと比べたわけではないのですが、多分安いんじゃないでしょうか。
購入後、昼飯食う場所を探して適当にうろついていたらこんなものを見つけました。なんだこれ。
自転車でなければ絶対通らなかったであろう場所。こういうどうでもいい物に出会えるのも自転車の価値のひとつだよなあ、と俺は半ば本気で考えています。
制作
カメラは最厚部で高さ60mm、幅100mm、厚み35mm……ぐらい。結構適当。
というのも、縫い合わせ部分とか革の厚みを考慮してある程度大きく作るから。あんまり厳密に考えても意味ないです。
測定+10mmで切り出し。裏面にボールペンで下書きして、普通のカッターナイフで綺麗に切れます。
んで、下処理をいろいろ。
素材そのままの革は裏面がけばだっているのでトコノールという薬品を薄く塗って処理。ツルツルになって細かいゴミなどが出なくなります。
表面にはオイルを。
今回使ったのはニートフットオイルというやつで、ベージュ色のヌメ革が日光に晒すことで段々変色していき、経年の味が出せるというもの。
塗りすぎると超高速で松崎しげる色になるという恐ろしい助言を頂いたので、慎重に、薄くうすーく塗りました。これでゆっくりと松崎しげる色になるそうです。
どちらにせよ最終的にはしげる。
切り出した革のカド部分はへり落としで削ぎ落とし、縫い合わせる部分はステッチンググルーバーで溝を彫ります。
ステッチンググルービング(ゴロ悪い)中。左手にグルーバー、右手にカメラで無理やり撮影しているので手がえらいことになっています。
ヘリ落としもグルーバーもプリプリっと削れて楽しい作業です。
下処理済み。オイルが半乾きなのでムラになってますが、完全に乾くと元に戻ります。
ここからの作業は騒音を伴うので翌日を待って日中に行いました。
菱目打ちで糸を通す穴を開けます。ゴム台とハンマーをつかってドンガドンガと。
ハンマーの振動たるや、階下への響きは相当なものと思われます。うちは下に住人がいないので気にしませんでしたが、場合によっちゃベランダとかでやるのがいいかも知れません。
引き続きハンマー作業。ポンチで穴を開けて、カシメやホック、Dカンといった各種金具を付けました。裏面はカメラを傷つけないように薄い革でパッチを作ってカバー。この辺で急激にそれっぽくなってきます。
「カシメ打ち」「ホック打ち」といった具合にそれぞれにいちいち専用の打ち込み用具があるのがめんどくさいですが、金具を買うお店で聞けばサイズが合うのを出してくれると思います。
組み立てます。今回使ったのはシニューという蝋引きしてある撚り糸で、無駄にアメリカンバイカーな雰囲気が出るとのこと。
自転車用のケースにそんな雰囲気は出ていらんのですが、他の糸だといちいち蝋を塗りこんで使う必要があるというのでめんどくさかったから。気に入らなきゃほどいて作りなおせばいいし、それも自作のいいところ。
ただ、やってみて分かったけれど、この作業ものすげぇめんどくせぇ。一目一目両側から糸を通してギュッと引き絞るだけですが、ちゃんとやらないで緩んだりすると解いて戻ってやり直し。下穴もがっつり開けとかないとなかなか針通らなかったりするし。
それなりに満足のいく仕上がりになって良かったよ。壊れたんでもなければ糸解いてやり直しとかしたくないわ。
顔。
めんどくさいなりに、着々と組み上がっていく様は楽しくもありました。
ひと通り組み上がったところでカメラを入れて。
長めに作っておいた蓋部分を丁度良いところでカット、留め具を付ける。
……うん。これはランドセルだな。なんかランドセルができた。
ちなみに省略したというか写真撮ってなかったんですが、この時点でコバ面にトコノール処理、表面にはラナパーを塗ってツヤ出ししてあります。
後は余った革の切れっ端でこんなん作って。
取り付け。
ダボはこんな感じ。
完成
ネットの動画やなんかでダラダラ気を散らしながら作成して、総工程10時間ってところでした。
素人仕事ですからじっくりみるとそこかしこにアラは見えますが、すぐに出し入れできる場所にカメラを置いておくという目的は果たせたので、俺としては十分です。これでいちいちバックパックから取り出したりしなくていいし、服のポケットに入れてゴロゴロすることもありません。
材料費は先に書いたように1830円。もう一個作れるぐらい余りました。
今回は道具がすべて揃っていたので安く上がりましたが、一から揃えるとなると初期投資は6~7千円ぐらいかな。目的に最適化したワンオフものが作れるということにどれだけ価値を見いだせるかで高いか安いか判断が別れるところだと思います。個人的には1個だけ作るならまあ妥当。2個、3個と作っていくならば十分安いと考えます。
しかしこれ、自分で使うという目的があるから工夫しつつ楽しく作れるけれど、人のだったら絶対無理。売ってるこの手のケース、今まではクソ高いと思ってました。ごめんなさい。俺これもう一個作ってくれって言われたら1万円ぐらい取ってしまうわ。
サドルバッグなんかも作ってみたいんですが、しばらくはこれだけ使ってみて調子を見ようと思います。色々改善すべき点も見えてくるでしょうし。
次に何か作るのはこのケースがしげる色になった頃でしょうかね。
入れるのはSONYのCyber-Shot RX100。こいつに合わせたサイズでケースを作っていきます。
構想
まずはどんな感じのものを作るかイメージを固めます。俺は絵心ないので、イラストを描くよりは実際作っちゃった方が早い。
ので、工作用紙で適当な展開図を切り出し。懐かしいな工作用紙。
取り付ける自転車はLink N8。折りたたみ時の固定用に、ハンドルポストにはシリコンのベルトを引っ掛けるダボが付いています。
これをうまく利用できないかと考えた結果、こんな感じに。びろーんとベルトを出して。
巻きつけ固定。上の方は適当にハンドルに吊っとけばいいでしょ。
あとは作りながら考えよう。
材料
日暮里に材料の買い出しへ。日暮里駅の東側は「日暮里繊維街」といって布やら革やら服飾関係の専門店が密集しております。
2.5mm厚のヌメ革1000円、金具各種830円。レザークラフトは初めてなのでユザワヤなんかと比べたわけではないのですが、多分安いんじゃないでしょうか。
購入後、昼飯食う場所を探して適当にうろついていたらこんなものを見つけました。なんだこれ。
自転車でなければ絶対通らなかったであろう場所。こういうどうでもいい物に出会えるのも自転車の価値のひとつだよなあ、と俺は半ば本気で考えています。
制作
カメラは最厚部で高さ60mm、幅100mm、厚み35mm……ぐらい。結構適当。
というのも、縫い合わせ部分とか革の厚みを考慮してある程度大きく作るから。あんまり厳密に考えても意味ないです。
測定+10mmで切り出し。裏面にボールペンで下書きして、普通のカッターナイフで綺麗に切れます。
んで、下処理をいろいろ。
素材そのままの革は裏面がけばだっているのでトコノールという薬品を薄く塗って処理。ツルツルになって細かいゴミなどが出なくなります。
表面にはオイルを。
今回使ったのはニートフットオイルというやつで、ベージュ色のヌメ革が日光に晒すことで段々変色していき、経年の味が出せるというもの。
塗りすぎると超高速で松崎しげる色になるという恐ろしい助言を頂いたので、慎重に、薄くうすーく塗りました。これでゆっくりと松崎しげる色になるそうです。
どちらにせよ最終的にはしげる。
切り出した革のカド部分はへり落としで削ぎ落とし、縫い合わせる部分はステッチンググルーバーで溝を彫ります。
ステッチンググルービング(ゴロ悪い)中。左手にグルーバー、右手にカメラで無理やり撮影しているので手がえらいことになっています。
ヘリ落としもグルーバーもプリプリっと削れて楽しい作業です。
下処理済み。オイルが半乾きなのでムラになってますが、完全に乾くと元に戻ります。
ここからの作業は騒音を伴うので翌日を待って日中に行いました。
菱目打ちで糸を通す穴を開けます。ゴム台とハンマーをつかってドンガドンガと。
ハンマーの振動たるや、階下への響きは相当なものと思われます。うちは下に住人がいないので気にしませんでしたが、場合によっちゃベランダとかでやるのがいいかも知れません。
引き続きハンマー作業。ポンチで穴を開けて、カシメやホック、Dカンといった各種金具を付けました。裏面はカメラを傷つけないように薄い革でパッチを作ってカバー。この辺で急激にそれっぽくなってきます。
「カシメ打ち」「ホック打ち」といった具合にそれぞれにいちいち専用の打ち込み用具があるのがめんどくさいですが、金具を買うお店で聞けばサイズが合うのを出してくれると思います。
組み立てます。今回使ったのはシニューという蝋引きしてある撚り糸で、無駄にアメリカンバイカーな雰囲気が出るとのこと。
自転車用のケースにそんな雰囲気は出ていらんのですが、他の糸だといちいち蝋を塗りこんで使う必要があるというのでめんどくさかったから。気に入らなきゃほどいて作りなおせばいいし、それも自作のいいところ。
ただ、やってみて分かったけれど、この作業ものすげぇめんどくせぇ。一目一目両側から糸を通してギュッと引き絞るだけですが、ちゃんとやらないで緩んだりすると解いて戻ってやり直し。下穴もがっつり開けとかないとなかなか針通らなかったりするし。
それなりに満足のいく仕上がりになって良かったよ。壊れたんでもなければ糸解いてやり直しとかしたくないわ。
顔。
めんどくさいなりに、着々と組み上がっていく様は楽しくもありました。
ひと通り組み上がったところでカメラを入れて。
長めに作っておいた蓋部分を丁度良いところでカット、留め具を付ける。
……うん。これはランドセルだな。なんかランドセルができた。
ちなみに省略したというか写真撮ってなかったんですが、この時点でコバ面にトコノール処理、表面にはラナパーを塗ってツヤ出ししてあります。
後は余った革の切れっ端でこんなん作って。
取り付け。
ダボはこんな感じ。
完成
ネットの動画やなんかでダラダラ気を散らしながら作成して、総工程10時間ってところでした。
素人仕事ですからじっくりみるとそこかしこにアラは見えますが、すぐに出し入れできる場所にカメラを置いておくという目的は果たせたので、俺としては十分です。これでいちいちバックパックから取り出したりしなくていいし、服のポケットに入れてゴロゴロすることもありません。
材料費は先に書いたように1830円。もう一個作れるぐらい余りました。
今回は道具がすべて揃っていたので安く上がりましたが、一から揃えるとなると初期投資は6~7千円ぐらいかな。目的に最適化したワンオフものが作れるということにどれだけ価値を見いだせるかで高いか安いか判断が別れるところだと思います。個人的には1個だけ作るならまあ妥当。2個、3個と作っていくならば十分安いと考えます。
しかしこれ、自分で使うという目的があるから工夫しつつ楽しく作れるけれど、人のだったら絶対無理。売ってるこの手のケース、今まではクソ高いと思ってました。ごめんなさい。俺これもう一個作ってくれって言われたら1万円ぐらい取ってしまうわ。
サドルバッグなんかも作ってみたいんですが、しばらくはこれだけ使ってみて調子を見ようと思います。色々改善すべき点も見えてくるでしょうし。
次に何か作るのはこのケースがしげる色になった頃でしょうかね。