長距離をあてもなく走ろうとすると荷物が増えるんですよ。

 常に持ち歩く財布、携帯、カギ、換えのチューブに工具、携帯食その他諸々以外にも、場合によってタオルとか着替えとか輪行袋とかカメラとか。そうなると今使ってるサドルバッグや小さいメッセンジャーバッグだけでは全然足りない。

 で、この「バイク用」バックパック。専用を謳ってるだけに、なかなか心踊る機能が詰め込まれております。


隙間

 弓なりに反ったバッグ本体と、弦に当たる位置に張られたメッシュ。背負った際に背中に触れるのはこのメッシュ部分だけで、バッグと体の間に隙間ができることになります。

 普通のバックパックを背負って自転車にのるとすぐに分かるんですが、とにかく熱がこもるんですよ。体ひとつで乗ってる時はあまり意識しないんですが、常に運動しているわけなので体からは発熱も発汗もそれなりにしてる。

 で、バッグを下ろすと、シャツの背中が汗でびったびたになっているという。とくにロードは前傾姿勢になるから、まさに背中に「載せている」状態。密着度合いも相当なもんです。

 そこに強制的に隙間を作って熱と汗を逃がす。風が通るので熱は抜けるし汗は蒸発。どんだけ走り続けても背中はサラサラで快適です。

 その分容量は少ないんですけども、日帰りライドには十分ですね。一応サイドのジッパーを開いて容量拡張もできるんですが、ノートPCと弁当持って自転車通勤、なんて用途にはちょっと厳しいか。


 ステキ機能その2。ヘルメットホルダー。バッグ下のポケットに収納されているホルダーを引っ張り出して、ヘルメットを挟んだら上部にフック。無駄にかさばるヘルメットが両手フリーで持ち運べます。このビジュアルから溢れる「専用」感がたまらない。特化された機能ってのが大好きなんですよ俺は。

 ただ、この状態だと前後に長ーくなるので、自分の車幅感覚が狂います。振り返るときは周りに注意。

 他にも雨が降ってきたときのためのレインカバーが内蔵されてたり、別売の水筒パックを取り付ければ背中から伸ばしたチューブで水分補給できたり。まあそこまで大仰なことはしないんですけど、できるってだけで嬉しいのよ。

 ちなみに自転車に乗っている時の快適性が第一義でデザインされているので、歩いている時はまあ、普通か中の下かってとこ。

 例えば、肩ストラップもメッシュだから涼しいけどクッション性は悪い。自転車に乗っているときは前傾姿勢で重量が背中にかかるからこの辺はフォローされるけれど、歩くときは重いものを入れていると肩に食い込むかもしれない。など。

 短距離の街乗りならメッセンジャーバッグにするとか、用途を考えて適材適所で運用するのがいいですね。