何このルール。こんなの絶対面白いに決まってんじゃん。

 と、即買いに走るも、どこも売り切れ。皆考えることは同じだよね。
■ルール概要
 
  1. 1〜5までの数字が書かれたカードが配られる。最初に手札を無くした人の勝ち。
  2. 手番になったら前の人が出したカードの±1になるカードを捨てることができる。3が場に出ていたら2か4を。1と5は連続しているとみなす。捨てられなければ山札から1枚引いて手番終了。
  3. アクションカードあり。例えば強制的に他のプレイヤーにカードを引かせる等。
  4. イカサマ可。



 上記1〜3まではただのつまんないUNOなんですが、4でゲームが激変します。


カードは全7種

 イカサマ可、というよりはむしろ推奨。しないと勝てません。ドイツ語の原題にもなっている紫色のMogel Motte(=Cheating Moss:イカサマ蛾)は通常の手段で場に捨てることは出来ないので、「なんとかして」処分する必要があるのです。

 「なんとか」=テーブルの下に捨てる、袖の中に隠す、襟に挟むetc……。わざわざアナログゲームを遊ぶような奴はルールに則った上で裏をかき合うのが大好きな連中ばかり(偏見)ですから、そりゃあもう盛り上がる。

 もちろんやりたい放題では卓上が無法地帯になってしまいますので、失敗すればペナルティもあり。監視役のプレイヤーからイカサマを指摘されたら罰としてカードを受け取った上で新たな監視役になります。


不自然な持ち手


テーブルの下はこんなんなってたり

 一見地味な効果ばかりのアクションカードも良いフレーバーとして作用しています。アクションカードは基本的にプレイヤー間でカードのやり取りが発生するので、イカサマをする良い目眩ましになるんですよね。

 早いもの勝ちで場にカードが出せるゴキブリカード。には目もくれずに手札を床下に落としたり。アリカードで全員が山札から引かされたカードは手札に入れずに背中にポイ。イカサマで捨てるのは必ず1枚づつ、最後のカードはイカサマ出来ない等、いくつかの条件はありますがイカサマの内容は自由。独創性あふれるイカサマスタイルを編み出すのもまた楽し。ベタな口三味線とかやってみたいなあ。

 このゲーム、最初こそたどたどしかったプレイヤー達がそのうち実に楽しそうにインチキを始めます。やはりイカサマがルールとして組み込まれているというのが良いのでしょうね。ズルをすることの罪悪感をスパっと取り除いてくれるから。

 人狼をやらせると明らかに挙動不審になって速攻吊るされるウチの嫁さんが、いつのまにやら一抜けに。人は良心の呵責がなければ実にエレガントに行動できるものなのだなあと感心しきり。そのような振る舞いが自然に行われるよう、システムとして成立させたこのゲームがすげーなと。

 あまりにも直接的な騙し合い。故に勝った時のしてやったり感は半端ない。緊張と弛緩の連続は必然笑いを生むから、場を和ます力もある。ルールは簡単、時間も短い。おまけに値段も安いときてる。「つかみ」のゲームとしてはほぼパーフェクトでしょう。

 次はビデオカメラで録画しながら遊ぼう。終わった後、全員で俯瞰の映像を見たら絶対に楽しいわこれ。