吸血鬼・金魚鉢男。この脱力系かつ悪夢のようなクリーチャーデザインにしびれる。


こんにちは



 金魚鉢男の「顔」に当たる金魚は鉢からドパァと飛び出し、人を襲う。傷口から被害者の体内に入り込んだ「金魚細胞」はその魂を糧に爆発的に増殖し、人を金魚へを変えてしまうのだった。

 絵はかわいいし、金魚になってしまうという設定もなんだかコミカル。でも近くにいたら間違いなく全力で逃げる。泣きながら。そんな得体の知れない薄気味悪さ。NO MORE 映画泥棒。

 一方で、吸血被害者を金魚化から救って回るのが「血潜り」たち。こちらのビジュアルも大概なことになっておりまして、スクール水着にモデルガン、金魚鉢男を探知するアンテナ(と言い張る)ビニール傘。


 といった格好でその辺をうろつき回っているので普通に警察に捕まったりする。


 彼女たちの仕事は、被害者体内の金魚細胞を取り除き、金魚化を阻止すること。その方法が「血潜り」と呼ばれるもので、胸のモデルガンを使って被害者の血液へダイブ、金魚細胞の核となる金魚毒を掬い上げ、捕獲する。要するに金魚すくい。


泳ぎヘタ

 素早く血液中を泳ぎまわる金魚細胞を、自身も泳いで捕まえるためにスクール水着。なるほど、実に練りこまれた一分の隙もない設定。


どこから出してんだ

 の訳もなく単なる作者の趣味だと思います。この辺のフェティシズム溢れる描写を見るに。

 金魚 VS スクール水着。かように都市伝説的というか、B級映画的というか、とにかくケレン味たっぷりの設定ではありますが、登場人物たちは真剣そのもの。命がけのガチバトル、VS 金魚。

 版画的なカケアミで陰影を表現する独特な画風も相まって、かなりの迫力です。


怒り狂う金魚細胞

 可愛らしさと薄気味悪さ、フザけているのに大真面目、斬新だけどどこかしら古風な味を持つ絵、そこから匂い立つ濃いフェティシズム。全ての要素が絶妙にボタンを掛け違えている感じで、その居心地の悪さが逆に癖になる。

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 俺は全話読んで、電子書籍版の単行本を買いました。電子書籍を買うことには全く抵抗ないんですが、掲載誌自体が電子書籍だと、何故か損した気分になる不思議(カット&ペーストしただけに思えてしまう)。紙の本で買い直そうかな。それだけの価値はあります。