hakairunner

・・・西暦2707年。生身の人間による音速レース「ソニックラン」の10期連続チャンピオン・豹二郎ダイアモンドが、ついに敗れる時がやってきた。新人にして1.80音速で走る怪物ランナー・ライデンとのデッドヒートで、彼の両脚はオーバーヒート。レース中に核爆発クラッシュを起こしてしまったのだ。チャンプとしての地位も失い、恋人にも去られ、再起不能の大怪我を負った彼は、奇蹟のカムバックを信じ、たったひとり、マンハッタン遺跡の砂漠でトレーニングを開始した。目標は、人類未到の2.00音速。果たして生命の進化に限界はあるのか。そして、豹二郎ダイアモンドに復活の時は来るのか?

 昔、惑星ピスタチオという劇団がありました。今や大出世した佐々木蔵之介がかつて所属していた劇団と言うと通りがいいでしょうか。
 学生時代、たまたま観にいった公演「破壊ランナー」にドはまりして以来、全公演を観に行き、ビデオ販売やスカパーなどで過去の公演をかき集め、友人知人に片っ端から見せまくっていたのですが、先日なんとなく「破壊ランナー」で検索したところ、動画を見つけてしまいました。


 本来ならオフィシャルでDVDを販売していた事を紹介するに留めるべきなのですが、なんかずっと「一般販売未定」のままで現在では入手困難ですし、動画は画質最悪、音ズレの二重苦で、「これで満足」とは言いがたいものなのでリンクを貼ってしまいます。

 惑星ピスタチオの特色は、「パワーマイム」と呼ばれる、その表現手法にあります。まず、小道具やセットをほとんど使わない。からっぽの舞台の上で、情景描写はすべて台詞による説明とパントマイムのみで行われます。

 「ミサイルがブワーッ!!」
 「馬に乗った人影が砂煙を上げてパカラッパカラッ…」
 「モニターが上からゴンゴンゴンゴンゴン……」
 「巨大な鉄球がゴロゴロゴロゴロー!!」

 もう全部口で言っちゃう。これはアレです、子供のごっこ遊び。言い張ればビームサーベルやレーザーガンは手の中にあるし、ジャングルジムは悪の組織の秘密基地になるんです。

 口にしてしまえば実に馬鹿馬鹿しい表現手段。だけど、大人が本気でやる悪ふざけをナメてはいけない。爆撃で跳ね上がる巨大な水柱、時計塔の機械室にある無数の歯車、目も眩むような断崖絶壁に巨大ロボット。何にも無いはずの舞台の上、稽古を積んだ役者の動きの先には見えるんです。

 さらには映画のようなカメラワークまで動きで表現しちゃうんだ、この人達は。何にも使わないからこそ、何でも舞台に持ち込める。人の想像力を逆手に取った「表現」そのもの、荒唐無稽な物語がそこにあります。

 さて、惑星ピスタチオの芝居を知ってもらうには、あれこれ説明するよりとりあえず観て貰うのが一番手っ取り早いのですが、薄暗くて殺風景な舞台に、序盤の聞き取りづらい高速の長台詞で嫌になってしまう人も多いと思うので、味見用にちょっと美味しい所だけ貼ってみます。


 いろんな人に見せたけど、ここで笑わなかった人いなかったなあ。気に入ったのなら最初の動画をどうぞ。そんで、興味を持ったら色々調べて貰えると俺が嬉しいのです。