2009年09月23日

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ペルソナ4ペルソナ4
販売元:アトラス
発売日:2008-07-10
おすすめ度:4.5


 俺はストーリー重視のRPGやってると中盤で飽きて「早く終わんねえかなこれ」とか思いながらプレーするというイヤな客なんですが、これは飽きなかった。面白かったです。

 前作のペルソナ3が俺にとっては「早く終わんねえかなこれゲーム」だったので発売後1年以上経った今更手を出したわけですが、もっと早くやっとくべきでした。

 システムは笑えるくらい3と一緒。ザコ敵なんか同じの使いまわしだし、キャラクターと舞台とストーリーを変えただけと言ってもいいぐらい。言い換えると、キャラクターと舞台とストーリーの差だけで面白さは大きく変わるものだということです。

ゲームや漫画における「普通」

 このゲームの主人公と仲間達は普通の高校生です。言動や立ち振る舞いが実に普通。この普通さがとても新鮮なのです。比較として3のメインキャラクターの特徴をいくつか列挙してみると、
  • 「容姿端麗、頭脳明晰、財閥のお嬢様。宝塚の男役口調」
  • 「ボクシング部主将、クールでモテるが女にあまり興味がない」
  • 「ロボ娘。軍人口調」
 こんな感じ。ゲームのキャラクターなんて中二設定でなんぼなところがありますから、これはこれでゲームキャラとしては「普通」なわけです。むしろテンプレートのようなキャラクターと言ってもいい。

 ただ、もうそういうのはお腹いっぱいなので。4にも休業中のアイドルだとか少年探偵だとかはいるし、「普通」組も物語のキャラクターとして味付けされちゃあいるんですが、その辺はキャラクター間の掛け合いの上手さで大分薄められているように思います。オタ好みなのにオタ臭を薄めて、その辺に居そうだと思わせるのに成功してるといいますか。


あえてキャラ萌えゲームと言いたい

 要するに俺の場合、他の途中で飽きちゃうゲームに比べて、すんなりとキャラクターが好きになれたわけです。理由はいろいろありますが、
  • 会話がくだけている。「全然OK」とか「普通に美味い」とか間違った日本語をばかばか使うのがかえってリアル。
    • ベタな展開も会話の転がし方しだいでぐっと面白くなる。不味い手料理でぶっ倒れるくだりとか、「なにげに貞操の危機」とか本当に秀逸
    • いつもは聞いてて恥ずかしくなるので声優の声とかすっ飛ばしちゃうんですが、これは平気でした。むしろ声優の演技力ってすげーなあと思いつつプレイ
  • 露骨なタイアップが逆にリアリティを出す効果を生んでいる。
    • 「『老舗旅館の一人娘。清楚なイメージで男子生徒の憧れ』というキャラクターが「赤いきつね」の「おあげ」を食べつくされて根に持つ」とか
    • 「皆から恐れられるヤンキーが「おっとっと」の潜水艦探しにこだわる」とか
  • 主人公達の操る「ペルソナ能力」というのは、自分の心の弱い部分、後ろ暗い部分を受け入れることで力に変わるという設定
    • その設定上、パーティメンバーは自分の恥ずかしい部分を赤裸々に晒すことになる
    • つまり仲間になる時点で既に腹を割っちゃった状態。おかげで仲間同士があっけらかんとしていて非常に仲がいい。見てて微笑ましい
    • 銃で頭ブチ抜いて無理矢理ペルソナを叩き出す3の演出も格好良かったけどね
 テンプレキャラだと思っていた女子高生女将の「天城雪子」がいかにも普通の女子高生だったことに「おや?」と思い、ヤンキーの「巽完ニ」が弄られキャラになるあたりで、俺はもうこいつらがとても気に入ってしまったのですよ。完ニかわいいなあオイ。

 システム上、主人公を強化するためには普段の学校生活でちまちま仲間達とコミュニケーションを取って好感度を上げていくというド作業ゲームと化すのですが、これが苦痛にならない。それぞれのキャラクターを掘り下げるサイドストーリーが展開していくので、むしろ楽しみ。考えてみればキャラクターの魅力が露骨に影響するシステムだなこれ。


小さいストーリー

 選ばれし者たちの「何だか知らんが世界がヤバイ」物語だった3に比べて、4のストーリーはいい意味で小さいです。小さな田舎町で起こった連続殺人事件に故あって関わってしまい、ペルソナ能力を身に付けた高校生たちが事件を追う。ああジョジョ4部。

 「町を殺人鬼の手から守るため」ではなく、「自分あるいは身近な人が危険に晒された怒り」をきっかけに主人公達は殺人事件を追います。これも共感しやすい、良い「普通」さです。

 そして、殺人鬼を相手に、目先の小さな謎を次々と解き明かしていくことで大きな事実が明らかになっていくミステリ仕立て。先が気になるからダレません。

 3では塔を上り続けるということで、大して代わり映えもせずにダラダラ長かったダンジョンが、それぞれ個性的なデザインとなり短く区切られる。やってることは変わらないのですが、サクサク感がまるで違います。

 このプレイ感覚のコンパクトさも、70時間にわたりモチベーションを保ち続けられた要因の一つですね。


認識を改めます

 これほどキャラクターやストーリーに引っ張られたと自覚したRPGは始めてです。俺はもともとストーリー重視タイプのRPGよりはWIZのようにストーリーなんて有って無い様なもの、システム重視のハック&スラッシュなRPGの方が好みだったのですが、このクオリティで楽しめるのならストーリー重視もいいもんですね。(このシリーズには「ペルソナ合体」っていう鉄板のシステムがありますが)。

 全体的に明るく陽気で、悪乗りにならない程度のノリが楽しいゲームでした。中古相場も当面は値下がりしないでしょうし、「興味はあるけど未プレイ」という俺のような方には是非オススメします。5が出たら今度は発売日に買おう。この質が次でも保てていれば良いのだけれど。


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コメント一覧

1. Posted by g   2009年09月23日 23:20
仰有るとおり、ストーリー周りの劇的な改善も4の賞賛事項であるのは間違いないのですが、私は加えてゲーム部分の細かな改善も頑張ってたなあと思います。

3のダルダルだったタルタロスをちゃんと尺を変えてギリギリH&S的というか、ダレない長さに変えてあったりとか、そこそこ死ねる戦闘(エンカウント周り含め)にしてあったりとか。まあ、3FESを踏まえた調整なんでしょうけども。『3でケチがついたであろう』ゲーム部分を一つ一つ潰していったんだろうなあーって凄く好感持てました。
2. Posted by 石橋   2009年09月24日 00:00
そうですね。
この記事でも「プレイ感覚のコンパクトさ」ってところでさらっとふれていますよ。

全体的に丁寧に作られてる印象ですよね。あとはザコ敵のバリエーションが増えると嬉しいかな。

コミュニティイベントの発生の有無も分かるといいかも。町中走り回った挙句にどこにも誰も居ないときのがっかり感ときたら。

でもコミュが進んだときの喜びを減らしちゃうかな。

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