山田五郎が食べ歩く純情の男飯 (講談社MOOK)山田五郎が食べ歩く純情の男飯 (講談社MOOK)
著者:山田 五郎
販売元:講談社
発売日:2009-03-30


 「男飯」とは大人の男がする一人飯のことを言う。雑誌やスポーツ新聞を読みながらのんびり食べる。忙しいときにはさっと注文してガッとかき込む。気軽で清潔、早くて美味い。店員さんが良い人だと尚良いね。そんな「男飯」にぴったりの店を紹介した本です。


 これを読んでみようと思ったのは、日経ビジネスONLINE連載「著者に聞く」の、「山田五郎×久住昌之 僕たちの好きな男飯」が面白かったから。とりわけ「能書きをうまいうまいと食う心」のくだりには共感を覚えます。スパイスビームの記事にもちらっと書きましたが、俺は料理は美味くて腹がいっぱいになればそれで良いという考えなので。

 詰まるところ普通のグルメ本なのですが、そのコンセプトゆえに「お上品」成分少なめで、学生街にあったら人気出るだろうなという店が多いのが嬉しい。眺めるだけで味と、ご飯をお代わりしている自分、それを食った後の満足感が想像できる。

 都会に生まれ育っても田舎の風景に何故かノスタルジーを感じる、なんて話がありますが、料理にもそういうのがあると思うんですよ。喰ったこともない料理の写真を眺めながら、過去の経験の断片をより合わせて勝手に想像し、懐かしさや満足感を覚えるという。

うん! これこれ!
うん! これこれ!

何が「これ」なんだろう
…って なにが「これ」なんだろう…

 久住昌之原作「孤独のグルメ」の1シーン。名セリフ多めで、グルメ漫画なのにアームロックを決めたりする辺りがよく話題になりますが、俺はこのシーンが一番好きです。

 まさにこの「うん! これこれ!」と同根だと思うのです。人には料理に対する良く分からない体験記憶回路が備わっていて、この本は何だかそこをチクチク刺激する料理が多く紹介されているのです。コロッケ定食のハムカツだとか、ハンバーグが乗っているナポリタンだとか。

 ただ、この本を片手に食べ歩くというのも何か違う気がする。気になる店は場所だけ携帯のメモにでも記録しておいて、たまたま近くに行ったときに寄ってみるのが正しい使い方でしょうか。

 そんな機会に恵まれるまでは適当に食べ歩いて、自分の中の「男飯」リストを充実させることとしよう。そういった事を意識するだけで外食の楽しみ方がちょっと増える。お得です。


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