大好きな炒めもの大好きな炒めもの
著者:ウー ウェン
販売元:高橋書店
発売日:2002-12
おすすめ度:5.0


 もやしは調味料を入れずに5分間炒めるんだ。


 自分でもどこへ向かっているのか分からなくなってきた「読書サイト」の管理人でございます。

 変わったタイトルの小説というわけでもなく、普通のレシピ本ですが、新しい知見を手に入れられればそれは即ち良書なのです。

 俺が衝撃を受けたのは冒頭に書いたもやしの炒め方です。5分間長々と炒め続けることで、もやし特有の土臭さが消え、甘みが出てくるとあります。実際にやってみたら、肉の入っていない野菜炒めが妙に旨い。なにこれ。

 この本には『炒めるとは水分をとばすこと』とあります。炒め物の秘訣は高火力・短時間で火を通すことだと考えている人が多いのではないでしょうか。俺もそうだったんですが、根本からひっくり返りました。

 優先すべきはスピードではない。どれだけ時間をかけてもいいから、野菜の旨みが引き出せるまでじっくり水分を飛ばすほうが大事。水分が飛ぶまで炒めるからベショベショにならないし、野菜のシャキシャキ感も驚く程残ります。

 家庭では中華料理店のように高火力で一気に調理という芸当はできません。だからこのように、可能な範囲でどこに主眼を置けばよいのかということがきちんと書いてあるわけです。

 煮込む時間が書いてあるレシピ本は数あれど、炒める時間が書いてある本を見たのは初めて。珍しいアイデア料理も特に無い、本当にありふれた炒め物レシピが書かれた本です。

 しかし、その通りに調理するだけで、もやしが旨いトマトが旨いピーマンが旨い。とにかく野菜が旨いのだ。もやしを主菜にできるという事実。財布にも優しいぜ。

 シンプルな基本を押さえておけば、他にいくらでも応用が効きそうな所も良し。料理はテクニックが不足していても理屈で意外と何とかなるもんだと分かったのは大きな収穫でした。

 旨いものができると分かってる料理は楽しいよ。


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