ニッポンのあそこでニッポンのあそこで
販売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日:2008-05-01
おすすめ度:4.5



 じっくりコツコツ進めていくゲームも好きですが、なんかこうダラッと時間をつぶすように遊ぶゲームも好物です。直前まで遊んでいたのが濃厚なモンハンだったので、あっさりしたゲームがやりたくて買いました。

 ゲームの詳しい内容については公式サイトを見れば、まあ良くわかんないので簡単に説明すると、「UFOで日本各地の名所や名物を釣り上げる」ことが目的です。さっぱりわかりません。
 めんどくさいのでストーリーや設定などの細かい説明はぶん投げますが、日本各地に放流されてる調査魚(ギョ)を釣るとご当地プチ情報が付いてくるので集めてネ。というゲームです。

 で、このギョ釣りゲームなんですが、困ったことに全く面白くありません。基本的にはギョか自分にダメージ入るコマが配置されたルーレットをうまく止めて、自分のライフがなくなる前にギョのライフを0にすれば釣り上げられるという単純なもの。ギョの動きにあわせてアナログパッドを入力することでルーレットの回転がある程度操作できるといったゲーム要素はあるものの、とにかく単純で3匹ぐらい釣ったあたりで飽きます。

 ゲームとして考えると超つまんねえ代物なのですが、このソフトの肩書きは「地図エンタテインメントソフト」。意味も無く地図を眺めて楽しめる人種というのが世間には結構いるのですが、そうでなくてもGoogleマップで自宅の場所を調べた事がある人は多いんじゃないでしょうか。知ってる場所の地図って面白いんですよ。このソフトはその「地図の面白い場所」の守備範囲を広げてくれます。

 釣り自体はつまんねえのにゲームを進めていける原動力は、まず知識欲。といっても大げさなモンじゃなくて、どーでもいい知識の類。「うわーここの名物不味そう」とか「アレって俺の地元にしかなかったの!?」とかそんなん。知らなかった事を知るというのはそれだけで楽しいもんですが、それが身近なものだったりしたら尚更です。

 あと中途半端なイメージしかなかった場所なんかも楽しいですね。「鳥取って砂丘以外もあるんだな」みたいなね。ごめんなさい。

 次いでコレクター欲。釣り上げたものはランドマークとして地図上に配置されたり、コレクションアイテムとしてUFOのコックピット内に並べられて行きます。地図上はどんどん賑やかに、コックピット内はどんどん滅茶苦茶になって行く様がなかなか楽しいです。

 最後にこれが一番大きいのですが、主人公ナビッチュのキャラクター。

ナビッチュ
ナビッチュ

 釣り上げたものにはすべてナビッチュの説明があるのですが、割と冷静な突っ込みでご当地の名所を切って捨ててたり、上司にシラっと嘘をついて「ニッポンには『嘘も方便』という言葉が…」などといった腹黒い面や、「魚拓…超ステキ…」と一人呟く渋い趣味など、ただのかわいい案内人ではなく立派にキャラが立っています。トロ・ステーションでトロの代わりにナビッチュを据えたものを見てみたいぐらい。

 その他、自分でスポットを登録する機能もあって、それをユーザー同士で交換する「交換会」というイベントもあります。それぞれのナビッチュが熱くプレゼンを繰り広げるらしいのですが、そもそもこのソフト売れてないみたいなので交換会をする機会はなさそうです。もったいない。

 俺は地図好きなので楽しんでいますが、地図好きじゃなくても個々が持っているその素養をツンツン刺激してくれるソフトだと思います。地図として使うには貧弱なのでいっそのことPSPはやめてPS3で出してくれないかしら。完全ネットワーク対応にして全国のユーザーと情報共有できたら面白そうなのにな。