前にも書きましたが、ヒゲを抜くのが好きです。で、バカ高い毛抜きで快適なヒゲ抜き生活を送っていた俺にある人が言いました。

 「それ、貯めたら?」

 それまでそんな恐ろしい発想は浮かびもしなかった。
 でも、やった。

 薬の小瓶に抜いたヒゲを「貯金」し続けて約半年。メモ用紙の上に伏せた小瓶の口から現れた円筒状のヒゲの塊。

    が、自重でモロリと崩れて。

 「うわぁー! うわぁー!! ううわああああああ!!!」

 そこにあるのは世界で最も薄汚ないまっくろくろすけ。

 でも、うわうわ言いながら指先でほぐして広げて遊ぶ。わざわざ石の裏側に密集しているダンゴ虫を覗いては気色悪さにおぞけ立つような性質が俺にはあります。

 という話をした。

 「じゃあミノムシでも捕まえに行こうか」 (参考:ミノムシの実験

 俺は一生この人には勝てないと思う。