2006年09月18日

戦国の長嶋巨人軍/志茂田景樹 このエントリーを含むはてなブックマーク

戦国の長嶋巨人軍


 以前こんな記事を書きましたが、入手できちゃったんですよ。いや、大阪市の図書館ネットワークは侮れんわ。

 さて、内容はというと、あまりにも想像通りで困りました。

 キャンプメニューの一環として自衛隊での訓練を行う長嶋巨人軍(この時点で既に常人の理解を飛び越えていますが)は、突然の地殻変動により1560年、桶狭間の戦いの場へタイムスリップしてしまう。
「監督、監督」
 落合が呼んだ。
「なんだ」
「あっちから、今川軍の後続部隊が駆けてきます。連中が支えになると、信長は義元を討ちもらすでしょう」
「なに?」
 長嶋は東の方角を見た。
 給料を、数百騎の騎馬武者が駆けていく。
 その後方に、長槍をきらめかせて足軽隊が続いている。
 鉄砲隊の姿も見える。
 雨はほとんど小降りになり、風は弱まり、またひどく蒸し暑くなっていた。
「よし、撃てい!」
 長嶋は、90ミリ拳銃を振り回して命令した。
 自分達がタイムスリップをしたと気づいてから僅か6ページ目のお話でございます。撃ていじゃねーだろ撃ていじゃ。

 長嶋監督といえばあまりにも天真爛漫な采配が記憶に新しいですが、その素晴らしい采配ぶりは戦国の世界でも遺憾なく発揮されています。今川勢を狙い撃たせた理由は「信長が好きだから」
 ゴジラ、落合ら十五人の兵は、64式小銃で騎馬武者の群れを狙った。
 ダダダダダッ!
 ダダダダダッ!
 いや、撃つなよお前らも。

 困ったことに、この小説における巨人軍選手の思考回路は全員長嶋です。この時点でタイムパラドックスや戦国時代でのサバイバルがテーマにならない事は決定されました。

 「じゃあ内容を一言で言うと?」
 「野球&虐殺」

 長嶋監督を「チョウさん」と呼ぶほど親密になった信長の庇護を受け、巨人軍は戦国の世に野球を広めるべく野球行脚を始めます。


なにこれ

 なんか「伝染るんです」単行本の挿絵がフラッシュバックしました。小動物におにぎり投げつけられてる奴。

 戦国の著名人たちと野球の試合を繰り返し、その合間に戦に出ては近代兵器で皆殺し。数十人に囲まれながら「首から下を狙えよ」と落合に告げるダーク長嶋。120ミリ滑空砲で敵兵を吹っ飛ばす姿には罪悪感のカケラもありません。

 物語のクライマックスは武田信玄の騎馬軍団との決戦。戦車砲一発でカタをつけ、
長嶋の顔も晴々としている。
 完。

 完!? 話に決着を付ける気が全くねぇ!

 その他、松井が子供達に「ゴジラー! ゴジラー!」と応援されたり、一茂が頼もしい強打者だったり、軍鶏にはまった桑田が「巨人軍饅頭」を売り出し大コケ、さらに借金を抱えたりと、志茂田先生の偏見交じりの人間模様が展開されているのですが、読み終わると一々突っ込む元気が残りません。

 その昔、テレビで志茂田先生の成人した息子が「父の小説が難しすぎて理解できない」との悩みを吐露していたのを観たことがあるのですが、何だか彼の現在が心配になりました。

 理解し難いという点については同意ですが。


トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by やぎたけ    2006年09月18日 23:02
リンク先を見ると、カスタマーレビューは星5つじゃないっすか・・・

しかし、巨人軍は現代に帰ってこなくていいのだろうか!?
2. Posted by 石橋    2006年09月20日 07:52
面白いことは面白いのね。
作者が狙ったのと違う方向で。

志茂田先生は巨人軍を現代に返すところまで頭が回らなかったんじゃないかと思います。

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
スポンサードリンク
アーカイブ
管理人
注目エントリー
アクセスランキング
ツール



グーグル ページランク


ブログパーツ





あわせて読みたいブログパーツ

ブログパーツ アクセス解析