SONY GPSユニット GPS-CS1K


 デジカメは持っていますが、あんまり趣味としての写真を撮らないタチです。デジカメが普及して、携帯ですらそこそこの写真が撮れる昨今、記録としてのスナップ写真だけならフィルム代はかからねえわ、焼き増しの必要がねえわで、その時のツレが撮っていた写真をもらえば済んでしまうのですよ。

 そんな訳で、俺にとっての写真というのは作品というよりは記録としての意味合いが強いのです。そういう視点で見るとデジカメの写真というのはなかなか便利なもんで、EXIFフォーマットのメタデータとして各種撮影情報が記録されています。

 今のデジカメ写真はどんな安物で撮ったものでも、撮影日時や露出条件・ホワイトバランス等のデータを保持しています。「いつ撮ったのか」「どんな風に撮ったのか」が分かると次に欲しくなる情報は「どこで撮ったのか」。気の利いたことに、EXIFフォーマットにはGPSで取得した座標情報を記録する領域がちゃんと用意されています。

 俺は以前からこのEXIFのGPS情報を使って遊んでみたかったのですが、何しろGPSユニットってヤツはどれもこれも高い上に、対応しているデジカメはごく僅か、しかも一眼だったり。

 で、最近発売されたこのGPS-CS1Kに飛びついたというわけです。このGPS-CS1Kですが、1万円強というリーズナブルな価格のため、その機能は極限まで削ぎ落とされています。
 普通GPSと言えばカーナビ的な現在座標表示なんかを想像するのでしょうが、これは衛星から受信した現在座標のログを取っていくだけ。表示といったら電源ON/OFFと受信状態を示すLEDしかありません。

 使い方は簡単、屋外で電源を入れて受信状態になったら後はただデジカメで写真を撮っていくだけ。撮ったら付属のソフトでGPSログとEXIFの撮影時間を参照して、EXIFに座標情報を付与することができます。平たく言えば、その写真を撮った場所が分かるようになるって事です。

 付属の地図ソフト(Mapple)上に写真を表示させることが出来るほか、サイバーショット付属の「Picture Motion Browser」を使えばGoogleマップへオートでリンクさせて使うことも可能。


全世界対応

 勿論市販の地図ソフトや、フリーソフトのカシミール3Dでも使えますし、はてなマップ等のwebサービスでもOK。デジタルならではの写真の楽しみ方です。

 Googleマップの上に写真の存在を示すマーカーがビシッと立つ。そうすると何故か脳内の撮影中枢がビシビシと刺激されていく。もっと写真を撮りたい、マーカーで各地を埋め尽くしたい。

 何だろう、これはコレクター欲に近いかもしれない。「よし、ここで写真は撮ったぞ、次はここだ」、といった感じ。本末転倒も甚だしいですが、出かけた記録をとる事、それ自体のために出かけたくなるんですね。これは中々素敵なオモチャですよ。

 PCを使ってデータを処理する一手間があるものの、それは裏返せば、対応デジカメが限定されないということ。一応動作が保障されるのはサイバーショットに限られますが、EXIF2.1以降のフォーマットに準拠していれば、他社製デジカメでも問題なく使えます。つまりはここ数年間に発売されたデジカメなら何でもOKということ。素晴らしい。

 実はソニーは以前にも似たような商品を出しているのですが、既に大コケしています。でも今はデジカメの普及率が飛躍的に上がり、web上の地図サービスも充実し、なおかつGPSユニットの価格も下がっています。今度は前よりマシなビジネスになるのでは。

 まあ如何にもニッチ市場って感じですから、これもそんなには売れないんでしょうけども、せめて収支トントン位のところには持っていって貰いたいですね。そしてさらに感度・精度・バッテリ性能の上がった後継機を出してもらいたいところ。同価格ならまた買います。

※09/11 23:00追記

 メーカー在庫が切れるほど売れてるみたいですね。スゲー。