2006年05月11日

七つの黒い夢/乙一 恩田陸 北村薫 誉田哲也 西澤保彦 桜坂洋 岩井志麻子 このエントリーを含むはてなブックマーク

七つの黒い夢


 アンソロジーで小説イヤイヤ期間のリハビリ。帯には「傑作ダーク・ファンタジー7選」。ダーク・ファンタジーって何よと思いつつ買ったのは知ってる作家が多かったから。

■この子の絵は未完成/乙一
 いきなりダークじゃない。常識にとらわれない子供は皆魔法が使えるんだぜ、という話。実に乙一っぽいなーと思わせる綺麗なストーリー。屈託のない絵本のような。俺はもうちょっと捻くれた作品も好きだけど、これはこれでいいんだろう。

■赤い鞠/恩田陸
 情景は幻想的だけどあんまり面白くはないな。

■百物語/北村薫
 ベタですがこういうのは好き。話の持っていきかた、百物語最後の話、結末を曖昧にしたままぶった切る終り方と余韻。いい感じのショートショートでした。

■天使のレシート/誉田哲也
 悩める中学生の失恋物語(なのか?)。突然話が90度ねじれる感じ。ねじれた先の結末は流れにそった淡々としたものなのだけれど、かなり意外に感じた。ねじった後の真っ直ぐ過ぎる結末に驚いたんだと思う。結構好き。

■桟敷がたり/西澤保彦
 女子大生の会話が不自然だなあ。こんな喋り方しないだろ、と思うところがちらほら。ロジックは西澤保彦らしく整然としているのだけど、ワンアイデアをそのまま切り出しましたって感じだな。物語としては完結してないのでモヤモヤする。

■10月はスパムで満ちている/桜坂洋
 ちょっとひねった表現をしてやろうという感じの文章が実にライトノベル的。嫌いじゃないがちょっとくどく感じた。逆に話には何のひねりもないんだが、「装飾過剰な文章」というのが話のキーになっていてちょっと面白かった。分かっててやってんだろうけど。

■哭く姉と嘲う弟/岩井志麻子
 良く分からん。3つの「お話」とラストの関連性が見えない。何か文学的な意味があるのかな。

 全編中の上〜中の下といったところ。特別面白いというわけではないが、電車待ってる間に気楽に読めたし、頭を小説モードにするには丁度良かった。アンソロジーはいろんな文体が一度に楽しめるのも良い。


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