もやしもん (1)


 非常にインパクトのある表紙と帯ですが、これでジャケ買いする人もそうはいないよなあ。偶々寄った書店で手書きポップ付きの紹介をされていなければ俺もスルーしていたので店員様々といったところでしょうか。

 農大というある種特殊な環境を描いている漫画なのですが、主人公には「菌が見える」「掴める」「話せる」という能力があります。


←こんなの(かわいい)

 で、その能力が殆ど使われずに繰り広げられるグダグダな学生生活がこの漫画の魅力です。密造酒を作ってみたり得体の知れない発酵食品を食ってみたり学内の畑から野菜を盗んでみたりホルヌッセン(スポーツ)をしてみたり…ああ麗しきかな大学生活。こんな風に「研究」と称したやりたい放題が理系の学生の醍醐味だったりします。そういった空気がイイ感じに再現されているのですね。別に劇的な展開はいらないのでこのままのペースでダラダラと続いてくれるのを希望します。

 じゃあ菌が見えるという設定はどうでもいいのかというとそうでもなく、膨大な種類の菌に性格をつけて(特攻隊気取りとか)キャラクター化することで話のそこかしこに出てくるバイオ知識も単なる薀蓄にならずに楽しめる。酒を醸すところなんかは生物ドキュメンタリーでよくやる「アリの生態」(なんか見てしまう)に通じるものがあります。正に麹やら乳酸菌やらの生態だから当然といえば当然ですが。そういった「細かいのがいっぱい」が何故か気になってしまう人にもオススメです。